© 2019 東京藝術大学COI 拠点文化外交・アートビジネスグループ 伊東順二 Junji Ito  |  NTT都市開発株式会社 

  • ホワイトInstagramのアイコン
  • Twitter Clean
  • Facebook Clean
  • ホワイトYouTubeのアイコン

 展示内容 

【第1期企画】
   バベルの謎​ –アートデータサイエンスの創造​–
    2019/4/4(木) - 2019/6/28(金)

 偽典の「ヨベル書」によれば、神はノアの息子たちに世界の各地を与え、そこに住むよう命じていた。しかし人々は、新技術を用いて天まで届く塔をつくり、シェムを高く上げ、人間が各地に散るのを免れようと考えた。神は降臨してこの塔を見「人間は言葉が同じなため、このようなことを始めた。人々の言語を乱し、通じない違う言葉を話させるようにしよう」と言った。このため、人間たちは混乱し、塔の建設をやめ、世界各地へ散らばっていった。
 バベルの塔は1563年から65年に書かれた大バベル、小バベルの2枚の傑作絵画で有名だが上記のように人間が集合して神の域に達しようと奢った考えを懲罰するために神がこの塔を壊し、人類を様々な地域に分け、言語を違えて散らばることを策した物語である。しかし、その説には古来様々に異なった解釈がある。
 ピーテル・ブリューゲルの制作意図がどのようなものであったにしろ、彼がこの傑作を残した故に人類は数百年もの間旧約聖書に残された神話の真意を測ろうとさまざまな思考、調査を繰り返してきた。芸術がもたらす意味とは作品そのものの以上に技術と智慧の粋を凝縮することによってあぶり出される疑問や問題提起の創造にあるのではないだろうか?
 そこで今回、芸術作品が生み出した疑問への問題解決を、人類が生み出した新たなバベルの塔である、インターネットと東京藝術大学が生み出したクローン技術そしてAI技術を駆使して迫るとともにそこに結集されている人類の智慧を視覚化することによって、旧約聖書によれば言語や地域が個々によって違えられた人類が、実はその後も同時進行的に建設的な努力を共有している、ということをさまざまな面から実証しようと思う。ここでは毎日、ネット上に集められたバベルの塔への疑問と、その回答への努力が螺旋状の迷路の中で視覚化され、その数百年の過程の中で生み出され、また今生み出されるアートコンテンツがライブで発信されることになる。訪れる方々は無限の情報の海の中で、芸術作品が灯台の灯火のように文化の多様性の克己への出口を示す瞬間を体験することになるだろう。

ディレクター、キュレーター
伊東順二 

SCREEN1 : STORY 

『未来への遺言』は、「バベルの塔」に着想を得たオリジナルの物語です。会場で進行する、建築、音楽、AI、の作業内容とシンクロしながら、時空を超えた物語が、3ヶ月の会期中にわたって展開され、今なお更新され続けています...​。

SCREEN2 : ARCHITECTURE 

「バベルの塔」を素材や構造、スケールなど、建築的視点から分析・考察を行い、それらをもとにバベルの塔を再解釈し、現代における新しいバベルの塔の提案を行いました。会期中、これらの作業風景がスクリーン上に投影されていました。

SCREEN3 : MUSIC 

「バベルの塔」建造をイメージして、周りに鳴っていたであろう音や、作品の描かれた当時の音楽を8.1chのサラウンドスピーカーで制作・再生しました。会期中に内容は少しずつ変化・追加されていきました。音像はつねに会場全体をめぐるように回転していました。

SCREEN4 : AI Auto-Searching

AIがインターネット上から「バベルの塔」に関連するキーワードを検索し、さまざまな言語で検索結果を収集します。スクリーンには検索結果が投影され、関連キーワードの出現頻度、検索経路のログをリアルタイムで記録し続けます。

​以下のリンクへ飛ぶとバベルの謎AI自動検索のページへ飛ぶことができます。

http://jetsets.sakura.ne.jp/lab/liveart/

SCREEN5 : Noah’s Ark

創世記に関連して、アメリカ・ケンタッキー州で「ノアの方舟」の原寸大再現プロジェクトを撮影したドキュメントを上映。COI拠点助手による現地スタッフへの取材と、外観/内部の様子を上映しました

SCREEN6 : Study of BABEL

ブリューゲル「バベルの塔」をコンピューター上で3次元化し、絵画上の人物や物に動きを与えています。1mにも満たない原画には1,000人以上の人物が描かれているとされ、非常に緻密な原画のディテールを大画面で再現しました。